断熱材の種類
断熱材にはたくさんの種類があり、高断熱・高気密分野になると、
プラスチック系目立って使われています。断熱素材としては無機繊維系、
木質繊維系、発泡プラスチック系、天然系に分類され、その中でまた数
種類もの材料に分類されます。

無機繊維系にはグラスウール、ロックウールがあります。グラスウールはガラス繊維、ロックウールは岩綿を素材としており、繊維状です。したがって水蒸気は透過します。
木質繊維系にはセルロースファイバーのように新聞の古紙を再生利用したものや、インシュレーションボードのように木質繊維を板状にしたものなどがあります。
ともに木質なので調湿性を持ちます。インシュレーションボードは断熱材というよりも、外壁の下地材であり、補助断熱を担うという感じです。
発泡プラスチック系は魚箱などで使われているビーズ状の発泡スチレン、スタイロフォームなどに代表される押出法ポリスチレンフォーム、防湿紙を複合した硬質ウレタンフォーム、収縮性があるのが特徴のポリスチレンフォーム、難燃性のある発泡体であるフェノールフォーム、そして、ペットボトルの廃材を再生してつくるポリエステル(PET)など多種あります。
プラスチック系は一般的に透湿抵抗が高いのが特徴ですが、特に押出法ポリスチレンフォームは透湿抵抗が高く、硬質ウレタンフォームはそれ自体に少し透湿性があり、現場発泡で施工をした場合にはある程度透湿をしますが、ボード状のものは表裏に防湿層が複合されて透湿することがありません。一方、ビーズ法ポリスチレンフォームは透湿性があります。PETは繊維状で使われるので、一般繊維系と同様に透湿性があり、調湿性はありません。
天然系はエコロジー時代を反映して最近注目を集めているものですが、まだまだ小規模な輸入品の域を出ていません。材質としての日本での安定した性能値を把握できるところまで至っていないので、現地のデータを参考にするしかありません。木質や羊毛、木綿など材質だけでも多種あり、すべて天然系なので調湿性をもっています。
断熱材の種類をおさらいしました。次回の断熱材と断熱工法のおさらいでは、断熱工法もいろいろあるので断熱工法についておさらいをしようと思います。