「居心地のいい家」って?
「家を建てよう」と決意して、いざ家づくりをはじめようとすると、
どこから手をつければよいものやら、戸惑うばかりで・・・
昨日、建て主様との打ち合わせで、こんなお話しをいだたきました。
実は、こういうお話しはお客様より、よくちょうだいします。
何事もそうですが、何を行うにも目的があります。
では、家を建てる目的とは何か?
自分を含め、家族が幸せな毎日を過ごすため。
答えはあまりにも単純でわかりやすいです。
しかし、いざ家づくりをはじめようとすると、
どこから手をつければよいものやら、戸惑うばかり。
まず最初に大事なことで、お金のことがあります。
それは、しっかりとした資金計画をたてて、絶対に失敗しなようにします。

では、その次は、
ある人は、家づくりを誰に依頼するか、依頼先から考える。
またある人は構造、断熱、設備・・・と、物としての性能から家を考えたりもします。
はたまた、形や空間などビジュアル重視の人も。
取っかかりの切り口はたくさんあります。
そして、だれしもが居心地の悪い家など、つくりたいと思うはずがありません。
では、「居心地のいい家」って?
興味ある切り口から手を付け、さらに自分と自分の家族の暮らしに置き換えて
一歩踏み込み、家づくりを考え始めます。
そうすると以外にも、家での暮らしそのものに、目が向けられていないことに気がつきます。
では、暮らしの全体像とは・・・?
実は小さな行為の連続が、暮らしをかたちづくっています。
たとえば外から帰宅する。玄関を開け、照明のスイッチを付け、靴を脱ぎ、コートを脱ぐ。
持ち物をどこかに置いて、洗面所で手を洗い、そしてうがいをし、洋服を着替える。
このように、家のなかでのすべての立ち振る舞いを作業行為と考えれば、
その立ち振る舞いが、暮らしをつくっていきます。
すなわち家づくりとは「暮らしをつくること」にほかならないんです。
暮らしをよりどころにして考えることで、ようやく家の姿がおぼろげにみえてきます。
そしてそのなかから、「居心地のよさ」が生まれてくるようです。
心地よさとは、個人の感覚に左右されることが大きいです。
しかし、暮らしをよりどころにした心地よさこそ、家づくりに求める大きな目的の一つになっています。

今まで多くの建て主の方と出会い、その都度、暮らしの心地よさを求めて家づくりをしてきました。
主人が違えば、見える家のかたちはすべて違ってきます。
しかし、結果としてみるかたちが違っても、居心地のよさを求める気持ちには変わりはありません。
「日常から発想する、心地よい場所」を大切にしています。
そんな繰り返しの中から生まれた家を紹介しながら、これから家づくりを考えていただいている建て主様に、
何かしらのヒントとなり、日々の暮らしを見つめた心地良い家の実現に、お手伝いできればとの思いをもって
建て主様と一緒に家づくりを進めていただいております。
では次回は「日常から発想する、心地よい場所」のお話しをささせていただきます