年輪のお話し

お客様との打ち合わせの中で、木工教室の話題が出ました。そこで、前回開催した時のお話しを
少し、ご紹介しました。
木工教室で、小・中学生のお客様に木材と木工について、お話しすることがあります。前回は、
丸太のお話しをいたしました。
大人も含めて、ほとんどの方が木材に対する誤解の第一歩は、この丸太の断面からです。
私が小学生の頃は、校長先生から「木は年輪がある。暑い夏は大きく成長するが、冬は
硬い年輪となる。君達も、冬の寒さにめげず、しっかり頑張って硬い年輪を作りなさい。」
と言われました。又理科の時間でも同様に習いました。が、実態は少し違います。
■年輪の大きいところは春に成長します。年輪の小さく硬いところは夏に成長します。秋と冬は成長しませんので年輪はできません。
■年輪の外側の白い部分(辺材)は樹木で生きているところです。この部分で水を吸い上げたり、養分を運んだりします。
しかし中の色のついているところ(芯材)は、腐朽菌から身を守るために木材が「毒」をため込んだところです。
そしてこの部分は細胞としては死んで、単に樹木をささえるだけの役割となります。
木によって毒の色は異なります。桧であればピンク色ですし、熱帯雨林の木材になると、腐朽菌の繁殖も激しいので、それに対抗して、黒檀の真っ黒けであったり、ローズウッドの赤や紫のような鮮やかな色になります。
そしてこの毒が木材の趣きのある色となります。(腐朽菌には毒かもしれませんが、人間にとっては、たいていの場合、良い香りですし、綺麗な色ではあります)
年輪と心材、辺材、心材は細胞としては死んでいるですよ、とお話しすると、みなさん驚かれます。
木は、神秘的ですばらしいものです。
これからも、いろいろな木のお話しをご紹介してまいります。