国産・無垢の栗床材を、建設中の注文住宅に採用いただきました。
岩手県南部地方生まれの本栗材です。


国産・無垢の栗フローリング  自然OIL塗装

岩手県南部地方生まれの南部本栗

栗の果実は「聖なる果実」として世界的にも長く親しまれています。
特徴としては硬く、水や湿気によく耐える樹木です。そのため、湿気の多い場所にも最適なフローリングです。

栗材は、古来から丈夫で腐りにくい木材として知られており、住宅の柱や土台、鉄道線路の枕木に使用されています。 栗材の材木としての最大の特徴は、水にも虫にも強くその耐久性はヒノキを凌ぐとも言われています。
その耐久性の高さの秘密はタンニンと言う防虫、防腐効果のある成分が多く含まれているからだと言われています。
また、クリ材にはサルノコシカケがあまり形成されないと言われます。
クリ材中に含まれるタンニンが梅寄生菌の菌糸伸長を阻害していることに起因しているとも言われています。

昔から住宅建材における材木において栗材は大活躍してきました。
太いクリの材材は大黒柱や梁や桁、また湿気に強いとされることから土台や地中杭などに活用したり、もちろん床材やフローリング材としても使われてきました。 床材に使われたクリ材は、幅広材だと大らかな木目がとても際立ちます。

最近では、平成の名古屋城天守閣復元時の柱材木には国産南部栗が採用されています。

国産栗材のフローリングは、使い込むにつれて素晴らしい艶が出て素晴らしい木目が浮かび上がってきます。 経年の変色で黄色くなる(黄変する)と言われていますが、タモ(アッシュ)や楢(ナラ)とはまた異なる変色をします。
数十年使用された栗フローリングは、黄変を通り越して黄土色に変色しているのを見かけます。 それはそれは本当に美しい木目であり艶であることに間違いないと思います。
今回採用いただいた 北東北産の栗フローリングも、自然オイルワックス塗装を施し長年使い込んでいくと黄変しダイナミックな杢目がどんどん際立ってきます。
色目的に桧(ひのき)と栗は相性が良く1階は南部本栗、2階は桧の節有材などをご採用いただく事もあります。 桧の節有床材は、寝室などに使用すると香りがよく熟睡しやすいと言われ、こちらも人気です。


貼り上がりイメージ

国産栗フローリングには、独特な、なぐり加工(チョウナ加工)という仕上がりもあります。
なぐり加工を漢字で書くとすれば名栗加工となるのですが、なんだか加工工法の見た目から“殴り”だと思われるかもしれません。 まさに製造工程としては、手斧やノミで殴る(なぐる)ように栗丸太を六角形に整え名栗丸太を作っていました。
フローリング表面に床の木肌から凹凸の質感を感じ取れるなぐり加工 には、、ゆらぎ、銀杏、凪、石畳、うろこ雲、五月雨、琴といった特徴ある柄があります。
栗も大変優れた、素晴らしい樹です。