本日のハウスクリエイトのイベントに参加くださったお客様から、たいへんおもしろい質問をいただきました。
その質問は、
『木の匂いを嗅ぐと、免疫力が上がるんですか?』
というものでした。



これは、たいへんおもしろい質問です。 そこで、よい発表がされている記事がありますので、ご紹介させていただきました。林野庁の記事の中に木材の匂いについて、
「人体の免疫系へのはたらきかけが徐々に明らかになりつつあります。
風邪の予防などに木材の匂いを活かせるようになるかもしれません。
作用の仕組みはまだ不明ですが、木材の匂い成分が、ストレスを軽減し、免疫細胞の働きを向上させると考えられます。」
という記事です。
より詳細は、
■ヒノキの匂い成分がヒトの免疫細胞の働きを上昇させたとの報告があります。

 [ 検証:ヒノキ材精油を発揮させた室内での宿泊実験 ]

免疫細胞のひとつとしてナチュラルキラー(NK)細胞と呼ばれる細胞があります。都内で働く30〜60歳代の男性を対象とした研究で、ヒノキの匂い成分である精油で、このNK を上昇させて可能性があるとの報告があります。
ヒノキ材精油を揮発させた室内に3日間宿泊滞在した前後のNK活性の変化を調べたところ、滞在前に比較して滞在後のに有意に上昇していました。(下左図)

また、滞在の前後で、ストレス指標である尿中ノルアドレナリンは有意に低下していました (上右図)
ストレスが軽減し、そのことがNK活性の上昇につながったのではないかと考えられています。

参 考

■ストレスと免疫系の働きの関係

様々な研究により、ストレスと免疫系のには密接な関係があることが示されています。たとえば、ストレス時に分泌されるホルモンが、NK細胞の働きを抑制すると報告されています。ストレス研究の始祖であるハンス・セリエは、ストレスへの抵抗期が長引くと、やがて体が疲れ切ってしまい、正常な抵抗力を発揮できなくなると唱えました。ストレスを上手にコントロールすることが重要です。

免疫系活動を担うーNK細胞の機能

免疫担当細胞のひとつとしてナチュラルキラー(NK)細胞と呼ばれる細胞があります。比較的最近になって発見されたリンパ球の一種であり、その働きの多くはまだ明らかではありません。ただ、腫瘍細胞(癌)の監視機構や、ウイルス感染の防御機構に関する機能を持つとと考えられています。最近の研究では、森林浴をすることによりNK活性が上昇するこが明らかになり、注目をあびました。

出典/林野庁 hanndbook