木は健康によい
前回の住まいづくり個別相談会で、お客様から木は健康にいいと、いろいろな試験結果などを教えてもらえますが、専門的なお話しではなくもっとわかりやすいお話しはないですか?と、お尋ねいただきました。
お客様がおっしゃるように、試験結果も大切ですが身近に感じること、実感できることも大切ですよね。
そこで、このようなお話しをさせていただきました。
木材がコンクリートや金属、あるいはプラスチックと違う点。それはぬくもりです。
やわらかく、優しい感触を持ち、見た目に美しい木造の家具や木製品。
木きでつくられたもののそばに身をおくと、騒々しく目まぐるしい現代生活の中で生じる私たちのストレスはやわらげられ、やすらぎを感じます。
ひと昔前には木造の家がほとんどであったわが国は、急速な経済成長と良質な木材の不足と高騰と科学技術の発展の結果もたらされた新しい建材や建築方法によって、住宅事情が大きく変化しました。しかしながら、便利になり、生活が楽になった反面、何かものたりない、そんな思いが再び木造への郷愁をかきたてています。鉄筋コンクリートにビニールクロス、ステンレスにプラスチック。それらに足りないもの。それが木のぬくもりです。
病気ではないけれど、どこか身体の調子が思わしくない。そんな不定愁訴を訴える人が多くなり、心身症はまさに悩める現代人の現代病となってしまいました。そんな現代人に必要なもの。それが人知れずほっとひと息つけるやさしさであり、ぬくもりです。それを木は生まれながらにしてたずさえているのです。

最近は木造の校舎が少しずつ増え、木の机やいすも学校に復権しつつあります。肌ざわりよく温かみがある木の肌は勉強する子供たちの気分をなごやかにし、柱からにおう木の香りは気持ちを落ち着かせます。木目の美しさは目をやさしく包み、木の遮音・吸音の働きは耳障りな音を減らします。木の床は肌にやさしく快適な歩きごこちを提供し、衝撃をやわらげます。木材の吸放湿の働きは室内の湿度を調節し、快適空間をつくりだし、また、金属やコンクリートに見られる結露を防ぎます。自然から作り出された天然の素材‶木材″が健康によいことが今や見直されてきています。
特に近年では、幼少期の体験が生涯にわたり深い影響をあたえると発表され、幼稚園、保育園も木造でたくさん建てられています。
そういえば、先日完成した新国立競技場も完成を伝えるニュースで”木のぬくもり”が感じられると伝えられていましたね。