
先日、真夏の外気温が高温となった状況下の中で住宅新築工事完了前での、
気密測定を行いました。
外気温高温下での気密測定、気密性能は?
無冷房状態の高温外気温の状況下で、午後12時30分より測定機材搬入、準備にかかりました。
外気温度計37.4℃、室内温度27.6℃という気温状況からスタートです。
準備等作業員男性4名にて作業開始。熱を発生する熱源が成人男性4名います。
準備作業中は玄関ドアを開放、中窓2ケ所開放という作業環境でした。
開放中玄関ドア、窓からの外気の流入が発生しています。さらに作業中4名からの、
熱の放出も加わり、室内温度は急激に上昇していきます。
外気の流入とは
高温となった外気温の中で開口部の開放は、高温の外気の流入がおこり室内温度はみるみるうちに、
上昇していきました。建物の断熱性能を高い仕様としていただきましたが、一部の開口部を開放するだけで、室内温度はかなり上昇していきます。これは、気密性能が低い建物は、同じように外気温の漏気が発生しており、室内空気環境の悪化を招き、換気計画通りの換気性能を確保することが難しくなり、また壁体内結露の発生も考えられます。
外壁の断熱性能を高い性能にすることは必ず必要なことです。
ただ、それだけが性能の高い住宅ではありません。人も寒い冬には寒さをしのぐため厚いダウンジャケットを着ます。
寒さをしのぐために!です。この気密測定の時のような外気温が高温の夏は、どうなるでしょうか?
暑い外気を断熱材で防ぎます、としたいのですが、そうはいかないのです。
人も真夏にダウンジャケットを着ていたら、大変なことになります。
気密性能が低い建物では、高温の外気が室内へ流入してしまい、しかも計画換気が室内からの空気の漏れ、漏気が発生して換気計画通りの換気が行われないことになってしまいます。
このような現象が発生し、夏の室内環境でオーバーヒートの状態になってしまいます。
外壁の断熱材はいいものにしたはずなのに、夏は暑くて、息苦しささえ感じてしまう、さらに、
どうにもならず、エアコンによる力ずくでの冷房がないと暮らしていけないという、
昔の住宅と同じような室内環境の住宅となってしまい、エアコンの室外機がいくつも外壁にはりついた要塞のような建物と化してしまいます。

心地よい暮らしをつくる
お客様のご相談でよくうかがうことの一つに、「実家が高気密・高断熱だといわれた住宅を建てたのですが、夏暑くてとても住みにくいです。部屋と部屋、部屋と廊下の温度差が強くて、不快です。」
というご相談をうけます。これは、高気密、高断熱の設計、さらに施工が間違っているからと、
私達は考えます。断熱材をただ高価なものにするだけ、では高性能な建物とは言えません。
特に気密性能の設計と施工がきちんとできていないと、費用ばかりが高価になり、暮らすと心地よいものではない、不快な空間環境となってしまいます。
高気密・高断熱の建物の性能設計がきちんとできて、それをきちんと施工することができることで、
暮らして心地よい、エネルギー消費量を節約できる「高気密・高断熱」の住まいができます。
もちろん使用する素材はどんな素材を採用するか、これも、心地よい暮らしをつくる大切な条件となります。
やはり、無垢材と自然素材でつくる、これも心地よい暮らしをつくる大切なものとなります。
大切な家づくりは、「素材と性能」です。
これは、私たちの家づくりへの取組みの大原則となっております。

この建物の性能を確認する気密測定の準備が整い測定を開始する時刻となりました。
測定時外気温:38.1℃
室内温度:32.1℃
という状況下となりました。
測定結果は 相当隙間面積: C値=0.2㎠/㎡ (測定機材プリントアウト紙)
とないう速報値でした。

この建物は、H28年省エネ法 外皮平均熱貫流率 UA値は 0.41W/㎡K
HEAT20基準値 G2基準値 UA値 0.46W/㎡K G2基準達成 建物です。
これからも私たちは、建て主様へ「素材と性能」という大原則の基、心地よい住まいを
お届けできるよう、全力で取り組んでまいります。