先日住まいを建てていただいた建て主様から、オーダーをいただいておりました無垢材テーブル、ウォールナット(ブラックウォールナット)材のテーブルを納品させていただきました。

スッキリろしたデザインの2本脚の耳つきテーブルです。
無垢材テーブルとは、本物で交わりのない無垢の板を使ったテーブルを指します。木のテーブルで無垢材ではないテーブルはどういうものかというと、ベニヤなどの合板やMDFといった木材を細かく砕きそれを接着して固めた木質素材をテーブルの大きさにカットして、木材を1mm以下に薄くスライスした突き板を表面に貼ったものが多いです。一概に木のテーブルといってもどういった素材を使っているかで質感や価格も異なってきます。
無垢材を使ったテーブルは質感もよく、丈夫なので長年使って頂くことができるのが魅力です。ダイニングテーブルのように家族で毎日囲むものこそ、長い時間をかけて成長し、自然の恵を肌で感じることができるものを使って頂きたいとおすすめしています。お客様のご要望をお聞きしてから製作していきます。

今日は無垢材テーブルの仕上げについてご紹介します。

無垢材テーブルの場合、オイル仕上げとウレタン塗装(クリアー含む)が主流の仕上げ方法となります。ハウスクリエイトのお客様は9割以上の方がオイル仕上げです。お客様から「おすすめは?」という問いには、「オイルです」とお答えしていることが大きく影響しているかもしれませんが、ここはきっぱりと言い切れるぐらい「オイル仕上げ」をオススメしています。

手で触れる自然の質感

オイル仕上げは木が本来もつその質感を十分に堪能できる仕上げ方法になります。天然由来の成分を配合した家具用オイルを木部の表面に浸透させて木部を保護する仕上げ方法になります。そのため、手に触れるのはオイルが浸みた木材そのものになります。

テーブルは素手で直接触れることも多い家具です。ずっと触っていたくなるような自然な質感は触るたびに癒される感覚になります。もう一つの塗装方法であるウレタン塗装では、プラスティックの薄い膜をつくって保護する仕上げになります。ざっくりいうと木の家具をプラスティックでコーティングしましょうね、という方法です。コーティングすることで、家具をキズや汚れなどからを守りましょうということです。

たしかにウレタン塗装の家具は、水に強いという利点があります。水がこぼれたとしても拭けばシミにはなりにくいですし、日常の手間はさほどかかりません。プラスティックでコーティングしているので、なんとなく想像はつきますね。なのでダイニングテーブルの天板などはウレタン塗装がいいと思う気持ちも、わからなくはありません。ハウスクリエイトでもこれまでオイル塗装と並行してウレタン塗装の家具を作ってきましたし、いまでも強いご要望があれば製作することは可能です。しかしそれは昨今の「脱プラスティック」の時代の流れからは逆行した考え方になるので、今は立ち止まってよく考える時期にあると思っています。「本当にそれは安全なのか!」です。

「手がかけられる」という意味

ウレタン塗装の家具はメンテナンス不要、と言われることがあります。これは言い換えると実は「メンテナンスをしたくても家庭ではできない」ということなのですが、残念なことにそこのところはあまり注目されません。

エアコンに例えてみると、フィルター掃除をしたくても、フィルターが取り外せない構造になっている、というようなことです。フィルター掃除をしたくなったらプロに依頼してくださいね、ということです。いまどきそのような製品はあまり見かけません。エアコンに限らず、性質上どうしても寿命がある家電製品ですら、日常の必要なメンテナンスが家庭でできるように作られているのです。

それなのに、ウレタン塗装の家具は、個人ではメンテナンスができないのです。手をかけてあげたくてもご家庭ではそれができないのです。なんということでしょう。

ウレタン塗装は経年の劣化は避けられません。劣化が進むとプラスティックのコーティングがはがれてきて見た目に汚らしくなってしまいますし、場合によっては剥がれたコーティングが知らず知らずのうちに体内に入ってしまうことも考えらます。一説によると、普通に暮らしているだけでも人間は1週間でプラスティックのカード1枚分のプラスティックを知らず知らずに体内に取り込んでしまっているとのことです。それが人体にどのような悪影響を及ぼすのかは、まだ明らかになっていない部分もあるようですが、いい影響があるとも思えません。プラスティックを食べるなんて、なんとなく避けた方がいいんじゃないかという直観が働きます。

ウレタン塗装の家具は塗膜部分のプラスティックが経年で劣化し、剥がれてきてしまいます。15年ぐらい使っているとどうしても生じる現象です。ウレタンの劣化に対しては、自宅で補修することが難しく、キレイに直すには工房に持ち帰り、機械で削り、再塗装を施すことになります。多くの場合、購入した会社のメンテナンスサービスを受けることになります。それなりの費用と時間が必要になります。購入したお店がもう閉店してしまっていたり、アフターメンテナンスを受け付けていない場合などは、泣く泣くコーティングがはがれた家具を使い続けるか、その家具事体を廃棄することになります。どのみち、暮らしと環境によろしくないことは火を見るよりも明らかです。

上の写真は、20年ほどご使用頂いたウレタン塗装のテーブル天板です。艶がなくなり、ウレタンが劣化で剥がれてしまっています。再塗装をしてしまえば新品に近い状態になりますが、時間と費用はそのぶんかかってしまいます。

一方で、オイル仕上げの家具はご家庭でのメンテナンスができます。シミや汚れ、細かいキズなどはちょっと手をかけてあげることで、ほとんど目立たなくすることができます。作業自体は決して難しいものではないので、コツさえつかんでしまえば心配はいりません。説明書に従って作業をしていただければ、メンテナンスできるようになっています。

メンテナンスをする必要があるという点ではデメリットと捉える必要があるかもしれませんが、ものを長く使う上では無垢材テーブルにかぎらず必要なことかと思います。作業自体はやってしまうと意外と簡単と感じるレベルのものだと思います。ここは反対に、いざとなったら自宅で補修ができると前向きに捉えて頂きたいと思います。

安心・安全の健康塗料

ハウスクリエイトで使用するオイルはドイツ・リボス社の家具用オイルになります。こちらのオイルは亜麻仁油を主原料として自然由来の成分を使った家具用のオイルになります。有害とされるホルムアルデヒドは含まず、安心して使って頂けるものになります。ドイツの「幼児玩具向け安全基準」を満たしているので、小さいお子様やペットのいるご家庭でも安心してご使用頂けます。

以上の3点がオイル仕上げをオススメする主な理由です。家具の仕上げは普段気にしていることもあまりないと思いますが、仕上げによって普段のメンテナンスや注意点なども異なってきます。無垢材テーブルの仕上げを選択する際には、「食べても安全なもの」をおすすめしています。