先日の建て主様とのお打合せで、嬉しい質問がありましたので、今日はそのお話しをさせていただきます。

建て主様から『家づくりは、豊かな森をつくることから始まる、とのお話しをお聞きして、
あ〜、良かった、と思いました。ところで、森から私たちが建てる家の柱や梁といった材料に

なってくるには、どんな道のりを経て私たちのところへ来てくれるのですか?』

というご質問でした。山の森から柱や梁など無垢の材料になるまでの道のりを、よく知られているようで知られてないようです。そこで、今日はそのお話しです。

山の森から伐採して、柱、梁、無垢の建築材料になるまで

🔶山の森での伐採
木を伐採するには、まずは、立木(タチギ:生えている状態)から切り倒すのですが、木材として、より良い素材を得たい場合は、樹種により伐採に適した時期を選んで切り倒し、“葉枯らし”を行います。 桧で2週間、杉で約6ヶ月間ほど“葉枯らし”を行うことで材質の低下を防ぎ、又、重量を軽くすることにより出材作業の負担軽減(出材コストの低下)をねらいます。

 伐採時期は、杉の場合7月~8月、そして11月~12月。桧の場合は3月~4月、7月~12月で、特に桧の材質の特に良い物は、10月~11月に行なわれています。 
 出材は、急峻な山岳からになるため、ほとんどの場合ヘリコプターでトラック積みの出来るところまで搬出します。 搬出された丸太は、各地原木市場などに卸されます。

🔶工場での原木選別
山や原木市場より入荷した原木を、“径級”・“長さ”・“材質”に応じて選別し、製材用途別に椪積みします。 その際、少しでも乾燥するように原木を桟積みしておきます。

 選別時には、原木の形状、年輪幅、抜け節、腐れ、アテ等の特徴をよく見て、“芯持ち材用”・“芯さり材用”・“小割材用”・“板材用”・“化粧材用”・“野材用”と選別し、さらに長さも1m、2m、3m、4m、6m、7m、8m用に細かく区分けしておきます。
 その後、注文や在庫状況に応じて、丸太を“皮むき”してから製材工程に進みます。。

🔶製材作業
原木を製材する時には、木の性質をよく判断して、その木材に最も適した“角材”を得るため“木取り”をします。

 芯持ち材の場合、芯を中心に角取りを行い、平割の場合は杢を中心に柾目にそって木取りを心がけます。 ほとんどの製品は一度大きめに製材して、乾燥後曲がりを修正挽きします。

🔶木材乾燥処理
原木から10mm~20mm大きめに荒挽きした未乾燥の木材を、乾燥室にて種類別に人工乾燥します。

 その際、木口まわりや化粧面などに割れ止め処理をしておき、乾燥による“干割れ”を予防しておきます。 木材の大きさや形状に適した期間、乾燥を施した後、割れや曲がりを修正挽きし、製品に仕上げていきます。

🔶検品・加工
修正挽きされた製品を、用途に合うかどうか検品をして、ランク付けの必要な物は選別格付。
そして、強度測定・含水率測定を行います。

 その後、必要、要望に応じてプレナー(カンナ)仕上げ、抜け節埋め木加工、実(さね)加工、などなどを施し、ラッピング包装して出荷されます。

こうして無垢の柱、梁材など無垢材は、建て主様の建築材料として、お手元に届きます。
ハウスクリエイトでは不定期に森へ、森の製材所への見学会を行っています。ご興味を
持っていただけましたら、どんどんご参加ください。
みなさまにお建ていただく家は、こうして豊かな森とともに育ちながら長い歳月をかけて
完成します。